bookコンシェルジュ

81人が語る、仕事訓&人生訓とは?


そしてもう1冊は「プロフェッショナルの言葉」(NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』制作班著)


タイトル通り、NHKの人気番組に出演した「プロフェッショナル」たちが番組中で発した言葉がつづられている。そしてその番組を制作したディレクターがエピソードを披露している。だからそのプロフェッショナルの言葉の裏に何があったのかがより深く理解できる。

アートディレクター・佐藤可士和の言葉、「難易度が高い、ごまかしがきかない方向に、自分をもっていってやろうとしているんです。それが強いから、やっぱり。」ディレクターによると、佐藤氏がデザインで大切にしているのが「強さ」。それは「派手」とは違い、広告に無関心な多数の人々の心に突き刺さる特別な力のこと。その力を持つデザインを作るのが佐藤氏の矜持だ。

寸鉄も多い。心臓内科医・延吉正清氏の言葉がいい。心筋梗塞や狭心症の患者に行われる心臓カテーテル治療を日本に広めた第一人者として知られる延吉氏は、激務の中でも日々穏やかに一人一人の患者と向き合う。医者からすれば目の前の患者は大勢の中の一人だが、患者からすれば医者は唯一無二の存在。医者はそれを忘れてはいけない、そしてこう言った。「ぼくはいつもこう思ってるんです、患者の命は、つねに一分の一」。何事でも一つの道を究めた人の言葉は正しく、そして重い。

医者をもう一人。脳神経外科医の上山博康氏。番組制作中、上山氏はこと患者に関わる問題になると意見を絶対に曲げなかったというエピソードが披瀝されている。周囲との衝突、批判、前例、圧力などと戦い続けた。そこで出てきた言葉が「批評家になるな。いつも批判される側でいろ」。これを聞いて我が身を反省する人も多いだろう。他人の批判ばかりして、何となく気持ち良くなっている人も多いだろう。そんな恥ずかしいことはすぐにやめた方がいい。

他にも、農家、棋士、漫画家など全部で81人の言葉がある。幻冬舎の編集者・石原正康氏の言葉もあるが、ここでは紹介しない。カッコよくて、ちょっと妬けるからだ。

81人の仕事訓だが、すなわち仕事術であり、人生訓だ。最前線で葛藤しているプロたちの熱が伝わるこの感覚を味わってほしい。

HOME
presented by 幻冬舎メディアコンサルティング