勝つFXのススメ


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過去3回は外国為替の歴史、およびFXを取り巻く環境について説明をしてきたが、今回からは、3回にわたり、やや実践的な内容をお届けしたい。

それでは始めに、 為替相場を動かす要因 について触れてみよう。為替の世界だけに限らず、株式市場などにも当てはまるが、為替相場は、一言でいうと、 「需要と供給のバランス」 で決まり、政府が管理している固定相場についても同じことがいえる。政府が資金の動きを制限し、需給の不均衡を政府の資金でまかなっているにすぎないからだ。

しかし、大きくいえばそうなるが、他にも様々な要因が考えられる。例えば、 経済成長率、物価、国際収支、金融政策、株価、金利、要人発言、テロ…… と、あげるときりがないほどだ。一説には、その数、数百ともいわれている。外国為替相場は、国内経済のみならず、国際情勢、政治と言ったものにも左右されることもあり、外国為替相場の変動は、他の市場と比較しても、読みがかなり難しい。

諸氏諸君は、経済誌、新聞紙上で、「ファンダメンタルズからかけ離れている」といった文言を目にすることはないだろうか? 「ファンダメンタルズ=経済の基礎的条件」と一般的に訳されている。

それでは、 経済の基礎的条件とは一体、何だろうか?

それは、

・「国内総生産(GDP)」=その1年間に国内の企業や個人などが稼ぎ出した付加価値の総額

・「物価上昇率」=モノなどの値段がどの程度上昇したか

・「経常収支(国際収支)」=簡単に言うと貿易や投資などでその国から出たお金と入ってきたお金の差し引き

・「失業率」=労働を希望しているのに仕事が見つからない人の割合

の4つと捉えていい。本当に基本的な経済指標と呼ばれているものである。

そうなってくると、次に、 相場の変動はどう予測すればよいか?  が重要になってくる。

例えば、日本が政策金利を引き上げた場合、「金利が上がるから円を買う」と考えることも出来れば、「債券が売られる可能性があるから円を売る」と考えることも出来る。

ポイントは、「どちらをメインシナリオと考えるのか」だ。

それを選択するためには、情報収集も必要となってくる。幸いにも、現在はインターネットが普及しており、プロと個人とでも得られる情報はほぼ変わりない。別の言い方をすれば、同じ土俵で相撲を取ることができるのだ。そこから、 「他の人の予測を、別の人がどう予測するか?」をいかに予測するかがコツである。 非常に難しいことだと思うが、実際の相場の動きをイメージできるまで、考え抜くしかない。

私の友人は、「自分が日銀総裁であったなら、金融政策はこうするだろうといった視点に立って考えるようにしてみれば?」とのアドバイスを授けてくれ、「立場だけではなく、性格まで限りなくその人物になって想像するように」とも付け加えていた。最初は、なかなかイメージが湧かなかったが、徐々に慣れてくると、あれこれ悩んでパニックに陥ることもあったが、比較的冷静に判断出来るようになってきたのだ。相場の世界では、「タラ・レバ」は禁物といわれているが、自分が、FRB議長だったら……というように使う分には、決して無意味ではないはずだ。

マーケットを予測する前に、自分のスタイルを確立させる

では、その マーケットを予測する前に、何を準備すべきか?

「マーケットはファンダメンタルズで決まる」「米国の思惑などで決まる」など、色々な考え方があるが、「自分はどういった考えに基づき予測しているのか」を、明確に意識しなければならない。例えば、米国のGDPが良かったのでドルの買いポジションを持ったにも関わらず、その効果が長続きせず、ドルが下落すると、「テクニカル的にはまだ大丈夫だ」と、それまでと異なる手法で自分をごまかした経験はないだろうか? 

この様な場合、マーケットを予測することが自分でもよく分っていないと考えられる。取引を行う際には、自分のスタイルをよく理解していなければいけない。また、どのような考えに基づき取引を行ったのかを、記録するのもおすすめだ。このようにして積み上げてきた経験は、後に一瞬の総合判断といわれる「直感」を養い、相場に生かせるときがやってくるかもしれない。

最後に、 「リスク許容度の認知」 について触れておきたいと思う。一般に、プロと呼ばれるディーラーは、会社から持ち高に対する制限とか、損失の限度といったリミットを与えられる。例えば、5000万ドルまでポジションを持っていいだとか、1日あたり300万円までなら損を認めるなどといったものだ。もちろん、このリミットは、その人の経験や一定の期間の成績を鑑み、設定されるものだが、個人の投資家の中には、損失を確定することに対してどうしてもためらうという傾向が見受けられ、結果としてそのためらいによりさらに損失を膨らませてしまうケースがある。

そうならないためにも、 取引を始める際には、自分なりのルールをしっかり決め、そのルールに基づき取引を行うようにしていただきたい。

例えば、1回の取引で5万円の損失というルールを設定したならば、5万円の損失のレートのところに、ストップロス注文を入れておくといった具合だ。諸氏諸君が、外国為替証拠金取引を「資産運用」であるとお考えになるのであれば、リスクをしっかりと理解し、向き合うことを忘れてはいけないのだ。

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筆者紹介

相葉 斉 Hitoshi Aiba
1999年のFX黎明期より業界に従事。顧客の資産保全を追求し、円だけではなく外貨で預ける証拠金も保全する国内初、業界最高水準のFX信託保全スキーム「トラスト アカウント プロテクション®」を導入。現在、マネースクウェア・ジャパン 代表取締役副社長。
http://www.m2j.co.jp/

『果報を寝て待つFX』 (九々井 怜著)

 

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