ケース1では5年間の売上高は1.090万円です。これは返済資金と支払利息の合計額と一致しますが、ケース2では5年間の売上高は2.760万円になります。これは返済資金と支払利息の合計額に、機械の再調達資金を考慮した計画です。法人税等は5年間で670万円納税することになりますが、次の機械の買い替えに借入をする必要はなくなります。
車好き社長: きっかり1.000万円、現預金が増えています。5年間の売上高累計は、ケース1の2.53倍にもなりますが、こうして、無一文で会社を船出させた経営者が、ようやく無借金経営を実現するわけですね。
税理士: この計画を実現できればその企業は持続する企業の仲間入りを果たしたと言ってよいでしょう。ですから事業計画は、再調達資金を考慮して立てるべきなのです。そうした視点でみれば、ケース1の2.53倍の売り上げがケース2では必要だ、という発想ではなく、ケース1では経営を健全にするための必要売上高の39.5%しか稼ぎだせていない、と見る発想が求められるのではないでしょうか。
車好き社長: 消極的な発想ですが、ケース2を目標に事業計画を立て、実行すれば、その過程で、予定通りの成果が仮に得られなかったとしても、ケース1を下回る業績にならない限り、返済資金を調達するために新たな借入金を準備する必要には迫られないわけですね。
税理士: 経営計画に余裕があると判断できます。つまり…
車好き社長: 計画の着地点には、いくつかの段階があるということですか。
税理士: そういうことです。いざ立てた計画がその通りいかなくても、慌てることはない。着地の段階を分析する力を持てば、落ち着いて軟着陸することができます。
車好き社長: 具体的に知りたいです。
税理士: では次回はそこから始めましょう。

山下明宏 Akihiro Yamashita


