納税上級者が資産を増やす

(2010/09/24)

今回の相談者
IT企業社長(車好き) (45歳)


無税で最高級車を乗りまわそう <その14>

税理士:これまで見て来たシミュレーションで社長が分からなくなってしまった理由を整理していきましょう。同じ取引が、以下の4パターンで表示されてしまうという結果を見てきました。これが、経営者の判断を見ぶらせる原因に繋がります。

<1> 2000万円で買った機械が、帳簿上は0万円と表示されている。
<2> 2000万円で買った機械が、帳簿上も2000万円と表示されている。
<3> 機械の価値が0万円で、帳簿上も0万円と表示されている。
<4> 機械の価値が0万円なのに、帳簿上は2000万円と表示されている。

しかし実際はこのパターンに限らず機械は、減価償却されていきます。たとえば初年度償却したが、2年目は償却しない。3年目はまた償却したが、4年後はまた償却をやめた。5年目は償却可能限度額の半分だけ償却した。このようなケースがあったとしたら、B/S・P/Lは、どのように推移するでしょう。

車好き社長: 見せてください。

税理士:わかりました。第13回<その12>でご紹介した<返済資金を回収できなかった場合>の条件を土台に展開していきますね。

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車好き社長: 借入金2が出てきました。これは、<ケース3>と同じですね。

税理士: そうです。利益の中から回収できない場合は、他から返済資金を調達してこなければなりません。この調達は、社長のポケット・マネーだったり、他人からの借り入れだったりします。

車好き社長: 1年目は償却費を法律で定められた限度額一杯まで計上したのですね。

税理士: 考え方をわかりやすくするために定額法を使っています。

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車好き社長: 2年目は償却をしていないので、当期利益は0円になっています。

税理士: 金融機関から、「2期連続赤字は避けてください。」などと言われた場合、こうした処理をやむなくしてしまう場合がありますね。

車好き社長: なぜ2期連続赤字がいけないのですか?

税理士: 金融機関から格付けを下げられてしまうからです。

車好き社長: 格付けを下げられると何がいけないのですか?

税理士: 会社側からすれば、金融機関から貸出し金利の引き上げを要求される、新たな借り入れを、おこしづらくなるなどが考えられます。また,金融機関側にすれば、格付けを下げなければならなくなるということは、貸出金の回収見込み率が下がると読み替えますので、その分、引当金を積まなければならなくなり、金融機関の業績を下げることに繋がります。

車好き社長: だから、「連続赤字は避けてください」といわれるわけですね。

→次ページでは「3年後」以降を見ていきます。

筆者紹介

山下明宏 Akihiro Yamashita
1963年東京都生まれ。税理士。現在、山下明宏税理士事務所 所長。TKC東京都心会所属、2011年より同会会長。「税理士が日本経済の土台を支える」という使命感を持ち、税理士業界の改革と中小企業の支援に没頭する毎日である。とりわけ次世代を担う税理士と経営者の育成には、真摯に取り組んでいる。
http://www.tkcnf.com/yamashita/pc/
http://www.berg-act.co.jp

『テキトー税理士が会社を潰す』 (山下明宏著)

 

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