(2011/6/24)
今回の相談者
飲食業社長(貯蓄好き) (47歳)
保険で賢く資産形成しよう <その4>
貯蓄好き社長: 管政権がそう遅くない時期に退陣することになりそうですね。退陣するにしても、そのあとの政権はどうなるのでしょうか。
税理士: 新聞やテレビニュースなどでは、菅総理退陣後の政治体制として大連立が提唱されたなどと騒がれていますね。
貯蓄好き社長: この大連立は、震災直後に管総理から野党に提案されたものとどう違うのですか?
税理士: 同じものだと思いますよ。
貯蓄好き社長: 3ヶ月経なければ思考がすり合わないということなのでしょうか。
税理士: 結果を見ればそういうことになりますね。しかし大連立が組めるのかどうかもまだわかりません。
貯蓄好き社長: この国難の時期にあって、何とも歯がゆい話です。
税理士: 中小企業にこれからどのような影響がでてくるか、まったく見えない状態ですし、対応も後手に回ることは覚悟しておかなければならないでしょうね。
貯蓄好き社長: そこで中小企業経営者は、何を頼りに経営していけばいいのかを教えてください。
税理士: 政治に期待できない、経済は力がない、環境も不安定である、まさに誰にも頼れない。そんな状況のとき、拠り所とするべきなのが、まさに「経営計画書」ではないでしょうか。
貯蓄好き社長: そうでした。究極の保険ともいえる魔法の書、「経営計画書」ですね。いまこそ、中小企業経営者が、本気になってこの「書」を作り上げることに没頭しなければならないのでした。先生、これを作るときの注意点を教えてください。
税理士: 沢山ありますよ。しかし注意点というよりは、まず心構えを持つことからはじめなければならないようです。
貯蓄好き社長: 心構え……ですか。
税理士: はい。使命感と言い換えてもいいようです。早速、名文を読んでみましょう。
「会社は絶対に潰してはならない。いつ、いかなる場合にも利益をあげて存続させなければならない。これが経営者の最低限度の社会的責任である。そこに働く人々の生活を保証するという社会的責任である。
次に、社会に貢献するという責任を持っている。そのためには、会社自体が繁栄しなければならないのだ。繁栄は、社会がその会社を必要としている何よりの証拠である。(中略)
人間としての欲求を無視することになるのだ。いったん、経営者を頼って入社してきた人間の欲求を満たしてやろうとしないのは、人間性無視も甚だしいといえよう。
経営者は以上のような社会的責任と、従業員に対する人間的な責任の両方を背負っているのだ。そのためには、どうしても長期的な繁栄を実現させなければならないのである。
この自覚が経営者の使命感である。この使命感のない経営者は経営者の資格がないのだ。この使命感の土台の上に、経営者のもつ人生観、宗教観などの哲学を積み重ねて「わが社の未来像」心にえがく必要がある。
それを繰り返し反すうし、温め、次第に高めてゆく。その未来像は、自分に言い聞かせえるだけでなく、絶えず従業員に語り、社外の人に話すのである。それが従業員に希望をもたせ、社外の人々の援助や協力が得やすくなる。自らは、それが潜在的に植えつけられて、「必ず実現してみせるぞ」という信念が生まれてくる。こうなればしめたものである。未来像に基づく、長期目標が設定され、目標達成のための青図が引かれ、発展への軌道に乗ることになるのだ。
経営者の使命感を土台にした未来像のないところに経営はなく、繁栄はない。すぐれた企業は必ずすぐれた未来像を持っているものである。」
(出典:一倉定『一倉定の社長学 社長の条件(第7巻)』
日本経営合理化協会出版局 1978年)
貯蓄好き社長: 毎回、含蓄がありますね。しかしこのような大それた思いを持たなければ経営はできないのでしょうか。
→次ページでは、社長の要件を整理しながら見ていきます。

山下明宏 Akihiro Yamashita


