(2010/03/24)
今回の相談者IT企業社長(車好き) (45歳)
無税で最高級車を乗りまわそう <その8>
車好き社長: 税金を潜らせた後の現金が3560万円ある。この安心は会社を強くします。ということは、経営者を強くするということです。この絶対の安心感を経営者が自ら求めて、なお且つ実際に経営でつかみ取れるようになれば、売上規模別の統計、つまり黒字決算割合に変化が起きるのではないでしょうか。
税理士: 年間売上高1億円未満、5千万円未満などの事業規模の企業が、生き残る経営を実現できるようになるということですか?
車好き社長: ええ、そんな気がしませんか。「うちは小さいから」「うちはまだ弱いから」という理由で、納税はまだ無理だという経営者は、一体いつから「小さい」を脱却するのでしょう。「小さい」から借り入れしなければやっていけないという企業は、一体いつから借り入れをしなくてもよい企業になるのでしょうか。 「国に甘えない、社会に甘えない、自分の力で生きていくぞ、強くなるぞ」と腹に決めなければ、たくましい会社には到底なれないでしょう。7割以上の企業が赤字で、それは特に零細に集中しているという事実は、そうした思考の問題が、結果を導く最大の要因のような気がします。
税理士: 国に甘えないというのは、つまり「納税する」ということ、社会に甘えないということは、つまり「金融機関から安直に借り入れをしない」ということですね。私もその通りだと思います。では、経営者が「強くなるぞ」と気持ちをいれたとして、さて、具体的にはまず何から始めればよいのでしょう……。
車好き社長: まず帳簿を企業内で作成することからではないでしょうか。記帳を代行会社に依頼している経営者がいますが、そうした企業の大半は経営計画書を作っていないのではないでしょうか。仮に作っていたとしても、リアルタイムに業績と計画を確認しようとは発想していないはずです。
よくアウト・ソーシングなどといいますが、事業のさまざまな形態の中で、もちろんアウト・ソーシングや外注の選択があることは理解できますが、経理のアウト・ソーシングほど危険なアウト・ソーシングはないでしょう。
これは「経営と会計は一体である」ということが、経営者に理解されていないからこそ起こってしまう現象です。経理を外注すると意思決定してしまった時点で、その経営者は、タイムリーな業績確認を放棄してしまったことになります。
会計は経営の結果を数字で表しただけだとしか理解されていないのです。税務署があるから、または金融機関に提出を求められるから付けている、それも年に一度決算書にするために帳簿を付けるという発想です。これらはまさにP/L思考の経営者の発想です。そうした経営者は、経営を樹木の年輪のように重ね、ゆっくりと、しかし確実にそして大きく会社を育てることはできません。会計的に言えば、B/Sを見る楽しみを、まずつかむ日は来ないでしょう。
→帳簿作成の必要性を述べた車好き社長に対して、税理士の反応は……?

山下明宏 Akihiro Yamashita


