納税上級者が資産を増やす

税理士: 年輪会計……。聞いたことがありませんが、経営理念と会計が一体になったような響きがありますね。年輪会計を手にしようとする経営者が増えてくれるとよいですね。私もこの言葉を啓蒙しましょう。

車好き社長: 年輪会計を実現するためには、会社を強くしなければなりません。強くするためには、現金を意識することです。現金を増やし続けられる会社だけが年輪を刻んでいけるのです。

税理士: 小さく弱い会社にとって、その取り掛かりはどこに求めたらよいですか?

車好き社長: 税金を払うことです。一度税金を払うと違った世界が見えてきます。いろいろな特典が生まれるのです。思考する時間を作れる。安心が生まれる。体力が着く。強くなる仕組みが分かるといった具合です。

税理士: 力強い言葉ですね。さらに展開していただけますか?

車好き社長: 税金を払うとお金が2種類あることに気付きます。払わなければ気付きません。経営していく中で税金(法人税等)を納める経験を持たない経営者にとっては、お金は1種類でしかありません(連載第8回<その7>参照)。

また、税金を納めると経営的に余裕が生まれてきます。担税力とはよく言ったものです。生まれる余裕は資金だけではありません。初期段階では、むしろ精神的なものが大きいです。時間が生まれます。おかげで考えることができるようになります。安心感の上に立った時間と思考なので、判断を誤る確率が低くなっていくでしょう(連載第5回<その4>参照)。

焦った判断、力ずくの計画を立てずに済むようになるのです。そうした思考に立った計画を組めるようになるのも、経営を強くする仕組みを体で知ったからです。


税理士: その鍵が2種類のお金の存在を知るということなのですね。

車好き社長: P/L思考の経営者は、税金を潜らせる前のお金しか知りません。B/S思考の経営者は、税金を潜らせた後のお金の存在を知っています。先生、そのことを「知らない経営者」と「知っている経営者」とでは、経営の仕方がどのように変わるのか図表で表現してみたいのですが、お手伝いいただけませんか?

税理士: 私もそうできたらいいなと考えながらお話を伺っていました。さて、上手く表現できますかね。でも、せっかくですからやってみましょうか。

●次回をどうぞお楽しみに。

筆者紹介

山下明宏 Akihiro Yamashita
1963年東京都生まれ。税理士。現在、山下明宏税理士事務所 所長。TKC東京都心会所属、2011年より同会会長。「税理士が日本経済の土台を支える」という使命感を持ち、税理士業界の改革と中小企業の支援に没頭する毎日である。とりわけ次世代を担う税理士と経営者の育成には、真摯に取り組んでいる。
http://www.tkcnf.com/yamashita/pc/
http://www.berg-act.co.jp

『テキトー税理士が会社を潰す』 (山下明宏著)

 

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