車好き社長: P/Lはすべての科目が0万円です。B/Sは先ほどと、どこが違っていますか?
税理士: 利益が上がらなくても借入金の返済はしなければなりませんから、手持ちの現預金から返済します。したがって、301万円でスタートした現預金は、1年後に60万円を定期積金に60万円を借入金の返済にあてますので、残高は181万円になります。2年後をみてみましょう。
税理士: このように、1年後と同じことを繰り返して、2年後も過ごすことができますが、現預金は61万円になってしまいます。
車好き社長: あと60万円。これを借入金の返済にあてるか、積金に振り替えるかどちらかしかできないのですね。
税理士: どんなことがあろうと、100万円の売り上げを立てなければならなくなるのが3年後ということになります。
車好き社長: 5年分の定期積金に相当する資金を5年間借入したとき、売上を立てるためにもらえる活動時間は2年しかないのですね。2年もあると捕えるべきなのでしょうが。
税理士: そうですね。前向きに捕えた方を私も好みます。しかし2年間つけを貯めてしまったわけですから、あとのP/Lは苦しくなりますよ。
車好き社長: まさにツケを支払っているようなP/Lですね。全ての数字がいままでの倍になっています。
税理士: 5年後も同じことを続けて、ようやく計画通りに目標は達せられます。
車好き社長: 先生、どちらのシミュレーションがよいのでしょうか。
税理士: 初年度から売上を立てて均等に返済していく計画は、確かに奇麗で安心感があります。2年間営業活動して、準備期間を持ったケースは、一見、緊張感がありますが、前者より2倍の業績をあげられる力をつけていることになります。
車好き社長: どちらが正解かということではないのですね。同じ資金調達額でも、その返済資金のねん出方法は幾通りもある。経営者の資質や事業のスタイルによって、業績は大きく変わっていくということなのですね。
●次回のテーマ●
さらに別の買い物をしていきましょう。

山下明宏 Akihiro Yamashita


