(2010/07/24)
今回の相談者
IT企業社長(車好き) (45歳)
無税で最高級車を乗りまわそう <その12>
車好き社長: これっていいですね。
税理士: 当初の予定の半分しか、業績が出せなくても、500万円の資金を残すという実績はつくりましたから、次の資金調達(借入金)は半分で済みます。その分金利負担も軽くなります。業績は、依然として半分のままですが、5年後には、晴れて無借金経営が実現します。
車好き社長: こうした経営が実現できるなら、あわてて、無借金を目指さなくてもよさそうですね。2代目の機械は無理なく購入できるし、丁寧に使っていれば、初代と2代目の機械を、また2代目と3代目の2台を同時に稼働させることもできるので、生産性を自ずとあげることができますし。経営戦略として沢山のバリエーションが組めるようになりますね。
税理士: そうですね。しかし、これは理想のパターンをアレンジしたケースだからこその結果なのです。今回は、そうしたパターンから離れてしまった場合のケースを考えていきましょう。
車好き社長: どんな風に離れたケースから見ますか?
税理士: まず、利益が出なかった場合を見ていきましょう。基本的には<ケース1>(第11回その10)のことですが、機械が十分使える場合に、次の5年間はどうなるでしょう。
車好き社長: そのまま使い続けるケースと、新規に機械を購入する場合とに分けられます。
税理士: そうですね。ではいつものように具体的に展開していきましょう。
税理士: 売上高は200万円で前年の業績を維持できます。借入金はなくなったので、支払利息も発生しません。減価償却費も償却済みです。したがって売上高は200万円あれば、前年の業績を維持できます。そこで生まれる利益は丸々200万円。法人税等がここで発生し、当期利益は120万円になります。
車好き社長: 業績が同じなら7年後の現金・預金は120万円上がって、241万円になりますね。
税理士: 以降、P/Lに動きはでませんから、B/Sのみ表記していきます。
車好き社長: 10年経ったら、現金・預金が600万円にもなりました。
税理士: 利益=資金を残そうと、我慢の経営を続けて行くと、お金は残っていきます。機械の返済資金分の売上高を維持していこう、とか、減価償却費分は維持していこうとか、そうした判断の基準を作って、その分の回収は必ずする。他の支払いに回したりしない、という姿勢で経営を維持すれば、資金は必ず膨らんできます。
車好き社長: ここまで我慢すれば、次に借入を400万円だけして次の機械を購入し、無理なく返済しながら、企業を成長させていく土台ができますね(第12回その11参照)。
税理士: そうです。売上を維持できなかった場合は、その分蓄積できる利益=資金は減りますが、その資金を元に、次の経営判断をしていくことになります。逆に業績が攻勢になれば、資金はその分高く蓄積されていきます。
→次のページでは、6年目に新規の機会を購入した場合のシミュレーションを考えます。

山下明宏 Akihiro Yamashita


