男の週末トリップ

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DAY 3


×月×日(日)
05:30 起床。たっぷり8時間30分の睡眠に爽快な目覚め。
荷物車に移り窓を開ける。昨夜からの生温かい空気に朝の冷たい風が切り込む。紫立ちたる雲が、時とともに朱に染まる。

06:30 ハジャイ到着。
30分ほど停車する。ここはタイ南部の経済都市。マレーシアとの国境に近く物資の一大集積拠点だ。食堂車を含め10両以上あった列車は、ここで荷物車とマレーシア行きの前方2両を残し切り離される。
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07:00 身軽になった列車がマレーシアへ向けて出発する。
下段のマレーシア人も目覚めたようだ。車掌に頼みベッドから座席へ戻してもらう。そして昨夜食堂車でオーダーしておいた朝食ボックスを少し食べてみる。洋風のブレックファストを意識していると思われるが、完全に見かけ倒しである。これは失敗。車窓はハジャイまでは見られなかったゴツゴツとした岩のような山々が遠くに見える。国境は近い。

08:00 マレーシア領バタンブサール到着。
1時間停車。タイとの時差+1時間。ここで乗客はすべての荷物を持ち一旦列車を降りる。そして駅構内にあるタイのイミグレで出国の手続きをとる。その後反対側に回り、今度はマレーシア入国の手続きを取る。これで手続き完了。そして再びホームに戻り同じ列車に乗車する。発車までの間、乗客はバーツからリンギットへの両替や、2階で簡単な食事をとるなどして過ごす。そして全員の入国手続きが完了したことを確認し列車は出発する。ここで荷物車も切り離され、客車2両だけになる。

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10:00 バタンブサール出発。
バタンブサールのイミグレは、タイとの国境を越える国際列車が日に数本しかないため、列車到着ベースでオープンする閑散としたところ。したがって陸路の国境独特の「文化や民族が擦れ合う」雰囲気はまったく感じられない。しかしバタンブサールから乗車してきた女性の多くは「ベール」をまとっており、イスラム教の国へ来た実感が湧く。列車は完全にマレーシアの「普通列車」と化しており、2両しかない客車は途中駅からの乗客で乗車率150%近い状態になる。列車はあまり変化のない景色の中、ひたすらマレー半島を下っていく。さすがに少し飽きてくる。
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13:40 バタワース到着。
予定より約30分の遅れ。ペナン島へ渡るフェリー乗り場へ急ぐ。「東洋の真珠」と呼ばれるペナン島はクアラルンプールに次ぐマレーシア第二の貿易と観光の都市。その中心地であるジョージタウンの世界文化遺産を見て回る。

13:55 フェリー乗船。
穏やかな海を船はゆっくりと進む。対岸のフェリーターミナルまでは約20分の船旅。マラッカ海峡の入口に位置する島だけに埠頭には数多くの大型貨物船が停泊している。乗船料1.2リンギット。

14:05 ペナン島到着。
徒歩でジョージタウンの歴史的街並みをバックパックを背負い散策する。まずはパンタイ通りを西へ向かい500mほど進んだところで左へ曲がる。すると、優しいクリームレモン色の回教寺院「アチェ・ストリート・モスク」(1808年建立)が姿を現す。周囲の雑然とした街並みとのコントラストに美しさが際立つ。礼拝堂や沐浴場も自由に入ることができる。次にマスジット・カピタン・クリン通りを北に歩く。すぐに中国寺院の「クー・コンシー」「ヤップ・コンシー」が目に入る。色鮮やかな細かい装飾がクオリティーの高さを窺がわせる。さらに進むと左手にムガール式建築を取り入れたマレーシアで最も美しいといわれる回教寺院「カピタン・クリン・モスク」、そしてすぐ右手にヒンドゥー教の「マハ・マリアマン寺院」、左手にペナン最古の中国寺院「観音寺」、通りの終わりにはマレー半島で最も歴史のある英国国教会「セント・ジョージ教会」が堂々と立つ。


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ジョージタウン、ここは半径500mくらいの中に、多種多様な宗教や文化、価値観が決して他を排することなく交錯、そして融合しており、絶妙なバランスの上に確固たるオリジナリティーを築いている。何とも不思議な街だ。

15:00 ビクトリア・メモリアル時計台から再びパンタイ通りに入る。
日射しが強い中、かなり急ぎ足で回ったためフラフラになる。熱中症で倒れそうなところで屋台の果物売りに出くわす。スイカ1切れ1リンギット。そろそろ時間だ。

15:15 ペナン国際空港へ向け出発。
スイカで命をつないだ後、通りでタクシーを止める。ペナンのタクシー料金はすべて交渉。疲れているため、面倒くさいのに当たらないことを祈りつつ料金をたずねる。ドライバーの答えは「30リンギット」。いきなり現地料金だ。なんと良心的。構えていたこちらがバカらしくなる。一発OKで空港へ車を走らせる。道中、メーターパネルの辺りに目を遣ると「サイババ」の写真が飾られている。尋ねたところ、運転手はサイババを信仰しており、彼は奇跡を起こす万能の神だという。逆に、お前は「サイババ様」を知っているのかと切り返される。日本ではハンドパワーで何やら白い粉を出すことで有名だと教えてやると、やはり「サイババはすごい」と大きくうなずいていた。

15:40 ペナン空港到着。
約40kmの道程もサイババ信者のアクセル捌きであっという間だ。

15:45 ジェットスター676便シンガポール行きチェックイン。
出発まで1時間25分。一段落ついたところで急に空腹感に襲われる。ロビー脇にあるカフェで遅めの昼食をとる。ナシゴレン&ミーゴレン、炭水化物と油の最強コンビネーションで瞬発力と腹もちの良さを両立させる。そして極度に甘いミルクティーで、糖分を過剰にチャージする。東南アジアを旅するバックパッカーの基本である。











17:10 シンガポール行きフライト、定時出発。

18:30 シンガポール、チャンギ国際空港到着。
マレーシアとの時差なし。

18:50 タクシーでリトルインディアへ向かう。
フィッシュヘッドカレーの老舗「バナナリーフ・アポロ」でカレーを食べるため急ぐ。

19:20 リトルインディア到着。
日曜日の夜ということもあり、一体どこから湧いてきたのかと疑うほどのインド人の男たちで街が溢れている。なぜか女性はいない。とにかく道路から公園からちょっとしたスペースまで、端から端までフジツボのようにインド人でビッシリ埋め尽くされている。一体、何の相談をしているのか大変気になる。

19:25 インド人の山を掻き分け「バナナリーフ・アポロ」へ入る。
とりあえずタイガービールを急ぐよう告げる。その後、名物フィッシュカレーとタンドリチキンのような「アポロチキン」をオーダー。しばらくすると係りの者が、大きなバナナの葉をマット代わりにテーブルに敷き、その上にサフランライスや付け合わせの数品をよそっていく。

間もなく、白い器に大きな鯛のような魚の頭の部分を煮込んだカレーがやって来る。頭の部分といっても実際は魚の「上半身」がまるまる入っており、身はたっぷり、食べごたえは十分である。魚の身をほぐし、カレーと合わせてサフランライスに乗せる。味も辛さも日本人の舌にもとてもマッチしている。うまい。ビールとカレー、最強に近い組み合わせで幸せになる。フィッシュヘッドカレー(M)26シンガポールドル、アポロチキン(M)12シンガポールドル。理由はわからないがレジで10%引いてくれた。

20:35 クラーク・キーへタクシーで向かう。
旅の仕上げにシンガポールスリングで一杯洒落こむ塩梅だ。ビールだけが酒ではない。

20:50 クラーク・キー到着。
川面に浮かべたレトロな船を客席にアレンジした「ロータス・グリル」のテーブルで最後のひと時を過ごす。淡い光に包まれ、カクテルとフルーツプラターを前にロマンティックなムードに浸る。大きなバックパックを背負いながら来るところではない。まわりは品のよさそうなカップルだらけ。尻が痒くなってくる。そろそろ空港へ向かおう。しかし振り返ると今回もハードな旅だったが充実感はそれ以上だ。

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21:25 タクシーでチャンギ国際空港へ向かう。
車窓を流れる摩天楼に酔いしれるも、チェックイン締切りまであまり時間がない。とにかく急ぐ。

21:40 チャンギ国際空港到着。
無事チェックイン。ラウンジでシャワーを浴びる。

22:25 JL710便シンガポール発成田国際空港行き、15分早発。
機内食オールパス。

DAY 4


×月×日(月)
06:20 成田国際空港到着。
シンガポールとの時差+1時間。スーツに着替える。

08:00 出社。
また新しい1週間が始まる。


●次回は「インドネシア・バリ島」での濃密旅行をおとどけします。


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