DAY 3×月×日(日)07:00 起床 08:00 誰もいないホテルのプールで泳ぐ。 10:30 ホテルチェックアウト。 迎えの車にキャリーバッグをつめ込み、バリ島ツアーの2日目スタート。 10:45 初めの目的地「闘鶏場」へ向かう途中、ヌサ・ドゥアのはずれにある村でオダラン(村祭り)の準備が行われていた。 少し立ち寄る。しかしバリ人は稼いだ金をすべてオダランにつぎ込んでいるのではないか。生活水準に比して祭りはあまりにも豪華で盛大だ。 11:00 ヌサ・ドゥアのはずれにある闘鶏場到着。 表通りから細い坂道を入ったところにあり、外からは絶対に分らないようになっている。闘鶏は、村祭りの前に行われることが多いそうだが、もちろん違法。公営ギャンブルもなければ、株もFXもないバリでは、闘鶏は唯一盛り上がる男たちの博打。 ルールは2羽の鶏の足にそれぞれナイフをくくりつける。ナイフの長さは鶏の大きさによって変えられ、パワーバランスが調整される。そして、どちらが相手を倒すか周りにいる男たちが金を賭ける。システムは胴元がいるのではなく、すべて参加者同士が相対で賭ける。自分が勝つと思う鶏の反対側に賭ける相手を探すのだ。男たちが大声で叫び、喚き、呻き、ビットとオファーの空中戦を繰り広げる。この時の会場は、ものすごい熱気で、男たちのテンションはクライマックスに達する。まさにブラックマンデーの再来を思わせる光景だ。遠くにいる相手とは言葉のやりとりができないので、目で相手をフィックスし、指で賭金を確定させる。清算は信用取引で事後決済だ。ちなみにオッズもそれぞれ相対で決定する。例えば「そちらの鶏が勝てば50万ルピア支払う、しかしこちらの鶏が勝てば30万ルピアもらう」といったような取引が成立する。これが人によって、タイミングによって常に変動しながら戦い間際まで続けられる。まさに人間システム。東証顔負けだ。 勝負は意外と速い。勝負に敗れた鶏は、血まみれでぐったりしている。そして決済が粛々と行われる。普通のオッサンが月給分くらいを平気で勝負している。しかし、決済がらみのトラブルはほぼないそうだ。 12:15 クタの「MIE88」で昼食。 ドライバーに麺類をリクエストすると案内された。闘鶏場にいたためか、チキン系の麺が食べたくなる。ミー・アヤム(約180円)をオーダー。スープも麺も問題なくうまい。 12:50 バリアン(呪医、呪術師)に会いにキンタマーニ方面へ。 今後の仕事についていろいろ占ってもらう予定だ。バリでは体の調子が良くなかったり、不幸が起こったとき、重要な判断を迫られたとき、人々はバリアンを訪れる。そして原因となる世界とコンタクトをとり解決してくれると言われている。 14:15 バリアンのイダ・プダンダ・ニョマン・テムク氏の自宅到着。 山の中腹にある、氏の家はバリにもかかわらず少し肌寒い。車を降り中へ進むと、氏がテラスで遅めの昼食をとっていた。見た目は仙人のようで、まさにイメージ通りの風貌。思いっきりこちらに視線を感じるが、何だか畏れ多くて直視できない。直立不動で氏の食事が終わるのを待つ。 いよいよ部屋へ招き入れられる。湿気の多い薄暗い室内で、生年月日と生まれた時間を紙に記入する。氏のスタイルは、バリアンが呪術を行う際に必要な要素を、すべてデータ化し、占いに用いる。従って、大げさなアクションは一切なく、淡々とシステムに入力する。味気ないと言えばそれまでだが、ブレがなく、よく当たるということで政治家や企業家たちが難しい判断を迫られた際によく訪れるという。占いについて結果が出る。ドライバーが片言の日本語で通訳してくれるが微妙な表現が多いためか、イマイチよくわからない。ただ、「お前はすでに死んでいる」くらいの勢いで何かネガティブなことを言っているのが伝わってくる。行く末は非常に厳しいようだ。 役得で、ドライバーもついでに占ってもらう。表情が暗い。何と言われたのか尋ねると、「お前は一生金がたまらない」と断言されたそうだ。お互い頑張って生きることを確認し、肩を抱き合った。 |
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15:30 バリアン宅出発。
気を取り直して、「治る」ことで有名なジンバランの整体師のもとへ向かう。持病の腰痛を治すのだ。占いに気を悪くしたのか、ドライバーの運転が少々荒い。しかしアジア系のドライバーに共通していることだが、とにかく前に車がいると、追い越さずにはいられないようだ。まるでコブラに対するマングースだ。ハリウッド映画のカーチェイスを彷彿させる走りで、約2時間、南へ下る。 17:40 ジンバランのウインドウ氏の自宅へ到着。 小柄で浅黒い氏が笑顔で迎えてくれる。ここは現地の人間しか訪れないらしく、氏も、治療は慈善行為として行っているようだ。「店」ではないため、決して衛生的とはいえない。指示により、板張りのベッドにパンツ一丁で横になる。うつ伏せになり、脂で真っ黒になった枕に顔面を埋めると、施術が始まる。はじめに痛む場所を聞かれたので答えるが、全くそこにはタッチしない。一見関係ないと思われる太腿の裏などを全身の力を込めてグリグリに攻めてくるのだ。思わず大きな呻き声を上げてしまう。痛すぎる。一旦中断を申し入れるがやめてくれない。だんだん息ができなくなってくる。15分くらいジンバランの村に日本人の叫び声が響いた後、ようやく解放される。「よくなったでしょ」と聞かれるが、全身を覆う痛みに、「よくなった気がいたします」と、泣きながら礼を言う。 18:40 クタビーチ到着。 レギャン通りを散策する。2002年のバリ島テロ事件の現場に差し掛かる。ここで自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し202名が亡くなったところ。跡地にはモニュメントが建てられ、広場になっている。ここからビーチ方面へ歩く。歓楽街特有の怪しげなムードの中をゆっくりと進む。そして再び車へ乗り込みジンバランへ向かう。 19:30 シーフードレストラン「ラーマヤナ」到着。 ここでは、いけすからカニやエビ、貝や魚を選び調理してもらい、ビーチにセットされたテーブルで、海風に当たりながら食事をする。調理方法はお任せにしたが、どれもうまい。ビールがすすむ。最後の晩餐に値するすばらしい食事だ。 今回の旅で、バリに対する印象が大きく変わった。本当にバリ人は親切な人が多い。吹っかけられたり、ボラれたりすることもなかった。ただしそれは彼らの内側に入れた場合で、入れなければ嫌な思いをするかもしれない。しかし、入ること自体はそんなに難しいことではない。テロや事件を起こしているのは島外の者がほとんどと聞く。改めて訪れたい魅力的な島だ。 |
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21:30 バリ・デンパサール国際空港到着。
ドライバーに別れを告げチェックイン。ラウンジでシャワーを浴びナイトフライトに備える。 23:55 JL720便、成田国際空港行出発。
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