飲食店独立開業の心得

(2010/01/24)
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選ばれる店になるためには、自信を持って提供できるメニューやサービスを確立することが大前提です。

しかし、一度つくりあげたものに満足し、固執してはいけません。自分がいいと思っているものが、本当にお客様が求めているものなのか、常に謙虚な気持ちで確認することが大切です。

今までも何度かお話してきましたが、そのためには開業してからも、色々なお店を訪れ、自分の目で見、サービスを体感し、味わうことが大切です。

開業直後は気持ちや経済的に余裕がなく、時間もありません。しかし、そんなときこそ自分で意識して、お金と時間を作り、評判のお店や近所の繁盛店を訪ねてみましょう。

そしてそのお店の何が、お客様に支持されるのかを自分の目で確かめましょう。

時代とともに、お客様の求めるものは変化していきます。視野を狭くし、自分の店だけ見ていれば、いつかそのサービスはお客様が求めているものとズレてしまいます。

矢場とんでも60年の歴史の中で日々、メニューを進化させ続けています。

素材を吟味し、味を確かめ、盛り付けに工夫する。同じ「とんかつ」を提供する中にも、時代とともに環境やお客様も変化しますので、工夫のしどころが尽きることはありません。

たとえば矢場とんの顔ともいえる「みそだれ」。

時代の変化に合わせて少しずつ味を変えています。最近、食の世界では甘さを控えめにする傾向があります。ですから、「みそだれ」の味も、創業当時に比べると、かなり甘さを控えめにしています。

この変化について、私が社員によく言う言葉があります。

「お客様に『このみそ甘いね』と言われてはだめよ。『やや甘めですね』という加減が大切」。このように微妙なさじ加減で、常に時代の流れに細かく気を配り、自分の店のサービスや味がお客様の求めているものとズレないよう進化させることが、お店を長く継続するための基本だと思います。

筆者紹介

鈴木純子 Junko Suzuki
1947年、愛知県名古屋市生まれ。現在、名古屋と東京を中心に展開する「みそかつ矢場とん」女将。サラリーマンの両親を持つ、ごく普通の家庭で育った「あたりまえ」の感覚をベースに、家族の助けを得て、徐々に店舗を改革。家族経営の典型であった同店を、年商17億円の企業に成長させる。
http://www.yabaton.com/

『脱・家族経営の心得』 (藤沢久美著)

 

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