飲食店独立開業の心得


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今までお話してきたように、店を継続し、成長し続けるためには、

経営上の目標を、一つひとつ確実に達成していくこと
社員の可能性を広げていくことで、自分の(店の)器を大きくしていくことが大切です。


そうしていれば、自然に新しい成長のチャンスが訪れます。

しかし、そのチャンスを活かすためには、常に外の風を取り込む柔軟さが必要です。

常に新しい風を呼び込むためには、地域社会との交流が大切です。

自分の店だけのことを考えるのではなく、地域のボランティア活動に参加したり、自社でイベントを開くなどして地域社会に還元することも重要です。

矢場とんの社長は、外部の方たちとのお付き合いを大切にし、ボランティア活動にも積極的でした。

意識せずにしていた社長の行動が、矢場とんに自然に「人を集める」効果を生み出していたのだと思います。

今でも年末のお休みの日には駐車場で餅つきをし、地域の方々や訪れた皆さんにふるまっています。

また、お客様の協力も得て募金活動をし、カンボジアに小学校をつくりました。

その後も定期的に、学用品などのフォローを続けています。

この活動も、従業員一人ひとりにボランティアや地域とのふれあいを大切にする心を持ってもらうためにはじめたことです。

現在、息子である三代目は、名古屋を盛り上げていくことも矢場とんの使命と考え、地元の後継者たちと地域の活性化活動に熱心にとりくんでいます。

30代の働き盛り。仕事だけに集中しろという意見もあると思います。

しかし、その中から得られる情報や経験、そして何より人との交流が、新しい風を呼び込む原動力となるのだと思います。

まず、はじめの目標を達成できたなら、自分の店のことだけを考えるのではなく、地域への還元も意識してください。

そうして地域社会に開かれた店になれば、経営に広がりが出てきます。

そして、「あの街にはあの店があるから行こう」

そう思ってもらえる店になれれば、その店はすでに自分たちだけのものではなく、地域社会の大切な存在になっているはずです。

せっかく開業するのですから、そんなお店になれるよう、小さな積み重ねを続けましょう。

その先には必ず成功が待っています。

筆者紹介

鈴木純子 Junko Suzuki
1947年、愛知県名古屋市生まれ。現在、名古屋と東京を中心に展開する「みそかつ矢場とん」女将。サラリーマンの両親を持つ、ごく普通の家庭で育った「あたりまえ」の感覚をベースに、家族の助けを得て、徐々に店舗を改革。家族経営の典型であった同店を、年商17億円の企業に成長させる。
http://www.yabaton.com/

『脱・家族経営の心得』 (藤沢久美著)

 

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